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2017.09.09

ワンちゃんのホルモン病(アジソン病)

2017.09.09

ワンちゃんのホルモン病(アジソン病)

さて本日は、わんちゃんのホルモンの病気についての続きです。

 

〜おさらい〜

ホルモンとは…

ある臓器から出た物質が血液の流れに乗って、体内の特定の臓器の細胞で効果を発揮する伝達物質のこと。

例えると、手紙と想像してもらえるとわかりやすいかもしれません。

特定の人あてに仕事を依頼するお手紙がホルモンと考えてもらえるとわかりやすいと思います。

体の中で臓器が手紙を送り、その手紙を受け取った臓器がお仕事をします。

その手紙が送られてこなかったり、またはその手紙が大量に送られて来ることでたくさん仕事をしなくてはいけなくなり体に異変が起こります。

その病気の中の二つを紹介します。

①副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)→前回ご紹介させてもらいました

②副腎皮質機能低下症(アジソン病)

どちらも腎臓の隣に存在する臓器である”副腎”が原因となります。

 

本日は、②の副腎皮質機能低下症についてお話しします。

副腎の一部が特発性(突如壊れてしまう)や自己免疫疾患(自分の免疫が自分を攻撃してしまう)などの原因により、機能不全状態になります。

副腎が機能不全になると体に必要なミネラルコルチコイドが不足してしまい、イオンバランスを崩します。またグルココルチコイドを分泌している領域も同時に壊れてしまうことがあります。

症状としては…

・食欲不振

・元気がない

・嘔吐下痢

など…よくある症状で曖昧で診断には苦労することが多い上に、非常に珍しい病気です。

(特に猫さんでの発生はかなり珍しく、私が勤務医の時代に遭遇した猫さんの副腎皮質機能低下症に関して学会で発表させていただいたことがあります。今回はその経験が生きました。)

(平成27年度 動物臨床研究会)

 

ぷうちゃんはなかなか改善しない食欲不振が続きました。

検査数値も典型的でなく、非常にわかりにく状態でしたが、

私が勤務医をしている時に似たような猫さんがおり、

その猫さんと数値の推移が似ていることや血中のタンパク質が低いことなどから

副腎皮質機能低下症を強く疑いました。

ホルモン刺激検査(ACTH刺激テスト)をし、基準値を大きく下回っていたことから確定診断に至りました。

一度の検査で全てがわからないこともありますが、今回は何度か検査をさせていただいたことで確定診断へと至りました。

現在は、食欲が嘘のように出てきて元気に飼い主さんと過ごされています!

とてもこわがりですが、かわいい表情をよく見せてくれるようになりました!

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