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歯周病の原因に?犬の歯石を取る方法と動物病院での費用を解説

歯周病の原因に?犬の歯石を取る方法と動物病院での費用を解説

 

人間と同じく犬にも虫歯になり、放置しておくと、「歯周病」に発症してしまいます。歯周病になると完治は不可能です。また歯周病の原因は、歯石の蓄積から起こってしまいますから防止するには、歯石への理解と除去することが必要不可欠なのです。

 

 

 

-犬の歯石とは?人間と犬の違い

 

・歯石

 

歯石とは、歯垢が唾液の中にあるミネラル分と結合し、固まったものを指します。

人間は虫歯になりやすい一方で、歯垢が歯石となりにくいといった特徴があります。それに対して、犬は虫歯にはなりにくいものの、歯垢が歯石になりやすくなっています。

 

 

・人間と犬の違い

 

上記のように人間と犬の歯石に違いがある理由は、唾液に含まれる成分と歯の形状の違いです。

人間の口内は弱酸性であり、唾液には食べ物の中にあるでんぷんを糖に分解する成分「アミラーゼ」があります。

このアミラーゼが、虫歯の原因になるのです。

逆に犬の口内はアルカリ性に加え、このアミラーゼがないので、口内に糖が溜まりにくい特徴を持っています。

 

歯の形状に関してですが、人間の歯は前歯(切歯)・奥歯(臼歯)・糸切り歯(犬歯)の3つに分けられます。

そして奥歯を含め、臼に似ている形状をしている歯が多いことから、噛み合う面のくぼみなどに虫歯菌が蓄積しやすい特徴があるのです。

一方、犬の歯は基本的な構造において人間とほぼ一緒ですが、奥歯が人間と違い薄く、尖った形状をしています。

この形状によって犬は、虫歯菌が蓄積しにくい特徴があるのです。

しかし、犬も人間と一緒で、歯石の除去を行わなければ、歯垢は歯石に変化してしまいます。

歯石に変化し蓄積することで、口内環境が悪化しさまざまな歯の病気につながるのです。

 

 

 

-歯石を放置するとどうなってしまうのか?

 

歯石を放置すると、以下の症状があらわれます。

 

 

 

・歯肉炎・歯周炎

 

蓄積した歯石には、細菌が多く付着しています。

そして細菌を含んだ歯石が原因となり、歯茎(はぐき)の炎症や出血が起こります。この段階は「歯肉炎」です。

歯肉炎が進行すると、細菌が奥に入り込み、歯が溶かされるようにもなります。

この段階は「歯周炎」と呼ばれ、歯肉炎とともにしっかりとケアを行うことで、歯の健康を取り戻すことが可能な状態といえるでしょう。

 

 

・歯周病

 

歯肉炎・歯周炎がさらに進行してしまうと、口内全体に炎症が広がり、歯のグラつきが出てきてしまうのです。

この段階は「歯周病」と呼ばれています。この段階になると、歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)に歯石が入り込みます。

 

そうなりますと歯周病の進行はますます加速し、放置をすると歯が抜け落ちるところまで進行を続けるのです。

ここまで進行してしまうと、残念ながら完治は不可能な状態となります。

 

重度の歯周病になると耐え難い痛み・よだれ・口臭などといった症状があらわれます。

痛みによってご飯を食べるのが遅くなる、以前よりも犬の口が臭くなったなどの特徴がみられる場合、ほぼ歯周病といっても間違いないでしょう。

補足ですが歯周病は、小型犬に発症しやすい傾向があります。

大型犬に比べ、歯同士の隙間が狭くなりがちなことが原因です。

 

歯周病を治療する場合、基本的には麻酔をかけたうえでの治療が必要不可欠なため、犬に少なからず負担をかけることになってしまいます。

したがって犬の健康のためには、歯周病となる前に歯石の除去をすることが、最も有効な方法といえるでしょう。

 

 

 

-自宅で歯石の対策はできる?

 

 

・スケーラーなどの除去グッズは危険!

 

自宅で歯石を除去できるグッズとして、「スケーラー」や「犬専用歯石取りペンチ」といったものがあります。

これらは簡単にいうと歯石をこそぎ落とすグッズですが、先端が尖った器具で歯に強い力をかけるので、素人が扱うにはかなり危険性が高いものになります。

愛犬が痛みを感じたり、最悪の場合大きなケガにつながることもあるので、使用しないようにしましょう。

 

 

・自宅での歯石対策としては「予防」がベスト!

 

歯石を除去することはできなくても、なるべく溜まらないようにしてあげることはできます。

まずおすすめしたいのが、「歯磨きグッズ」です。

人間と同じく、犬も習慣的に歯磨きを行うことで、歯石の付着を軽減することができます。
「歯ブラシタイプ」や、「指にはめるフィンガータイプ」などがあり、人間でいう歯磨き粉にあたる「スプレー」や「ジェル」も販売されています。

 

ただし、犬の中には歯磨きを嫌がる子も少なくありません。そんな場合には、「歯磨きガム」がおすすめです。

これは噛むことで歯垢や汚れを落としてくれるものです。犬は噛むのが大好きなので、遊び感覚で歯のお掃除ができます。

歯磨きガムを選ぶポイントとしては、次の2つがあります。

 

  1. 1. 歯を痛めないように硬すぎないものを選ぶ
  2. 2. 歯石が溜まりやすい奥歯で噛める形状のものを選ぶ

 

犬は4~5日程度でも歯石がついてしまうので、なるべく毎日噛ませてあげるようにしましょう。

 

 

 

-本格的な歯石の除去は動物病院で!

 

歯磨きや歯石防止グッズを使っていても、どうしても歯石が溜まってしまうこともあります。

先述の通り、歯石を放置すると、様々なお口のトラブルの原因となりますので、動物病院で除去してもらうようにしましょう。

 

 

・麻酔は必要か?

 

歯石を除去する際の、麻酔の必要性については、獣医師によって意見が分かれてしまうことが現状のようです。

したがって麻酔については、獣医師と相談・かかる費用から飼い主が判断(費用の相場については後で説明します)するべきといえるでしょう。

ただし、歯周病が進行している場合の麻酔無しは、出来る限り避けてあげましょう。

人間と同じく、犬も痛みを感じます。

そのため、進行した歯を麻酔なしで処置する場合の苦痛をやわらげるためにも、歯周病が進行しているのであれば、麻酔を使うことが望ましいといえます。

 

 

 

-料金

 

 

・麻酔ありの場合

 

麻酔ありの場合、相場は20,000円~50,000円ほどです。

犬の体重や年齢を考慮した上で料金が決められる傾向があります。

なお、スケーラーは超音波を使ったスケーラーで歯石を除去し、再発防止のために歯をコーティングすることが一般的です。

抜歯が必要な場合は、別途料金がかかる場合もあります。

そして犬の状態によっては、獣医が麻酔を使うことはできないと判断し、他の方法を提案するケースもあるようです。

 

 

・麻酔なしの場合

麻酔を使わないため、相場はだいたい3,000円~8,000円ほどと非常に安くなっています。

また麻酔なしの場合でも、年齢や体重を考慮して料金設定がされているようです。

最近では、老犬や病気持ちの犬に対する安全性のニーズが高まっている背景から、麻酔なしで歯石を除去する病院が増えているようです。

 

 

 

-まとめ

 

 

人間と同じく、愛犬の健康維持のためには、歯のケアを欠かすことができません。

説明した通り、歯石の除去を怠ると歯周病となり、完治が不可能となってしまいます。

そのため早期発見・早期治療を心がけ、愛犬の健康維持を行いましょう。