うさぎは人間と違い、病気にかかってもその苦しみを発信することができません。
そのため、飼い主がうさぎの異常に気づき、早期対処することが重要です。
うさぎがよくかかる病気を、症状・対策とあわせてご紹介します。
不正咬合とは、歯が異常な方向に伸びることで、噛み合わせが悪くなってしまう病気です。
また不正咬合は、自然には治りません。
そのため放置し続けると、他の病気を併発してしまう可能性がありますから注意が必要です。
主な症状として、食事をなかなか食べようとしない・硬いものを食べなくなった・口の周辺がよだれで汚れている・便が小さくなった、などがあげられます。
理由は臼歯(奥歯)と切歯(前歯)が伸びることにより、口の中を傷つけ、その痛みで食事を取ることができなくなってしまうからです。
不正咬合の治療ですが、まず飼い主では対処できません。
なぜなら、歯のカットが必要なことと、臼歯をカットするには、全身麻酔が必要であるためです。
したがって不正咬合の対処法は、動物病院にて定期的に歯をカットしてもらうことです。
歯をカットすることで、食欲不振・その他症状を解消することができるでしょう。
不正咬合を事前に予防するには、牧草をメインとした食事にし、繊維質の多いペレットにすることです。
中にはケージをかじってしまうケースもあるようですので、かじるための木を与えましょう。
毛球症とは、うさぎが毛繕い(けずくろい)によって飲み込んだ毛または、誤って食べてしまった異物などがお腹に停滞してしまう病気です。
ネコであれば自力で胃の内容物を吐き出すことができますが、うさぎは自力で胃の内容物を吐き出すことはできません。
胃腸の働きが低下し、早めに処置をしないとうさぎが死んでしまう場合もあります。
毛球症の症状として、便の量が少なかったり、便が小さかったりという特徴があります。
また、毛球症に発症したうさぎが水を過剰に飲むといったケースもあります。
その後次第に便が出なくなり結果、食欲不振におちいってしまうのです。
うさぎは体が弱いため、ほんの小さなことであっても放置しておくと、命にかかわる場合があります。
そのため少しでもうさぎに異変を感じたら、できる限り早めに動物病院に連れていってあげましょう。
毛球症を予防する方法としてはまず、飼い主がうさぎの毛のお手入れを行ってあげることです。
抜け毛が少なくなり、毛を飲み込む量も少なくすることができます。
そして餌は、繊維質の多いものを与え、排泄をうながすように努めましょう。
また最近では、うさぎ用の毛球症のサプリメントが市販されていますので、そういうものも使用することを検討してもいいかもしれません。
なおこれらに加え、うさぎに適度な運動をさせてあげるとより効果的です。
適度な運動は、消化器官の働きを活発化してくれます。
人間と違いうさぎにとって下痢は、命にかかわる病気の場合が多いようです。
うさぎの便には2種類あり、1つはよく見られる、コロコロした便です。
もう2つ目は、うさぎ自身が食用として排泄する盲腸便で、少し柔らかめな便です。
なお盲腸便は、お尻から口に直接運んでしまうため、見かけることはあまりありません。
胃腸の働きが低下している・寄生虫に感染している・ストレスによる食欲不振の3つが主な原因となります。
うさぎの場合、コロコロとした正常な便が出ない状態が下痢になります。
コロコロしているはずの便が異常にゆるかったり、ゆるくて繋がった便が出ていたりします。
そしてそういった軟便を出していると、うさぎのお尻も便で汚れてしまうのです。
うさぎが下痢をしていることに気づいたら即、病院に連れていきましょう。
先述した通り、下痢は命にかかわる場合が多いのです。
病院にうさぎを連れていく際は、うさぎの便を持っていく事を忘れないで下さい。
寄生虫がいないかを調べてもらうためにも必要です。
またどうしてもすぐに病院へ行けない場合、うさぎに水分補給をさせ、体温が下がらないように体を温めてあげましょう。
下痢への予防法は、飼育している環境を常に清潔な状態を保つことです。
排泄に気づいたらすぐに清掃し、餌や飲み水はこまめに交換するなどして、寄生虫の感染防止にも努めて下さい。
また食物繊維が豊富な牧草を与えることで、うさぎの消化器官を整えることが可能です。
カルシウムの多いウサギのおやつ・ペレットを過剰に食べ過ぎたりまた、水を飲む量が少なかったりすると、膀胱に結石ができてしまいます。
尿路結石ができると、うさぎが尿をしたくても尿が出ない・排尿の量が少ない・尿に血液が混ざる(血尿)といった症状があらわれます。
そして排尿の歳、背中を丸めて痛がったり、膀胱の痛みにより、抱っこされるのを嫌がったりするケースも見られるようです。
重症化すると、自力で排尿が不可能となり結果、死亡してしまう場合もあります。
尿路結石は基本、外科手術によって除去します。したがって上記のような症状が見られたら、病院に連れていきましょう。
尿路結石への対処法は、カルシウムを多く含んだものを与えるのをやめましょう。
ペレットやウサギのおやつなどは、カルシウムを多く含んでいるため厳禁です。
カルシウムの低い野菜とチモシーを主とした食事に切り替えて下さい。カルシウムの低い野菜として、にんじん・白菜・クレソンなどがあげられます。
ただしこれは悪化を防ぐための一時的な対処法として考え、やはり病院に連れていくことが望ましいといえるでしょう。
皮膚のトラブルもうさぎによく見られる病気です。
皮膚病になる原因として、うさぎを飼育している環境が悪いとなりやすいようです。
また栄養の偏りやホルモンの異常、ストレスによっても皮膚病になる可能性があります。
皮膚病になると、うさぎの皮膚が赤い・フケがある・かさぶたがあるなどといった症状があらわれます。
うさぎの皮膚に異常が見られた場合は、すぐに病院に連れていきましょう。
皮膚病の対処法はまず、うさぎを飼育している環境を常に清潔に保つことです。
排泄物を掃除しないで放置していると菌が繁殖し、うさぎへ感染することで皮膚病になってしまう可能性が高いのです。
またうさぎは繊細なため、汚れていたりするとストレスに感じ、ストレスから自らの毛を抜いてしまう場合もあります。
そして毛を抜いた所が炎症を起こし、皮膚病となってしまいます。
スナッフルは風邪に似た諸症状が特徴で、悪化すると肺炎や呼吸困難におちいり、うさぎが死んでしまう可能性がある病気です。
スナッフルに発症した初期の頃は、くしゃみや透明な鼻水、涙目などの症状が見られます。
放置をして悪化させた場合、透明だった鼻水に膿が混じり、うさぎが呼吸する際に異音が聞こえるようになります。
スナッフルに発症する主な原因は、ストレスです。
そのため、うさぎが感じているストレスを解消してあげることで、改善することが多いのです。
うさぎにストレスを感じさせないために、飼育している環境を清潔にする・急激な温度の変化がある環境を避けるなどを心がけましょう。
しかし最も有効な対処法はやはり、病院に連れていくことといえるでしょう。
上記の諸症状が出たら、悪化する前に獣医さんの診察を受けることを検討して下さい。
うさぎがかかりやすい病気を紹介する際、いずれの場合も「病院へ連れていく」と説明してあります。
うさぎは繊細で弱いため、少しでも症状を放っておくと、かえって病院に連れて行くことが大きな負担(ストレス)になり、手遅れになってしまうからです。
少しでも異常を感じましたら即、病院に連れて行きましょう。