2017.02.09
2017.02.09
おはようございます。
本日は、再び寒波が到来しているようで、またまた雪が降り始めました。
まだしばらく寒波は続きそうです…皆様足元にくれぐれもご注意を。
さて、本日は1月に手術を行いました結石症のお話をします。
ワンちゃんにもネコちゃんにも多いこの病気は、時に緊急事態となることがあります。
尿路結石には様々な石の種類があります。特に下の二つが非常に多く見られます。
①リン酸アンモニウムマグネシウム結石(ストラバイト結石)
②シュウ酸カルシウム結石
①のストラバイト結石については療法食があり、結石を溶解させることができます。(ただし、かなり大きい場合は療法食でも溶かすことができません)
しかし、②シュウ酸カルシウム結石は療法食やお薬を使っても溶けることはありません…
今回はシュウ酸カルシウム結石のワンちゃんについて書きたいと思います。
このワンちゃん(プリンちゃん)はおしっこが出ないという症状で来られ、レントゲンを撮ってみると…
膀胱内に結石が…そして、尿道内にも結石が…
これがおしっこが出にくい状況の原因でした。。
なんとか一時的に押し戻し法と呼ばれる方法で尿道内の石を膀胱内に戻しておしっこは出るようになりましたが、何度かこのような状況が続き、プリンちゃんがこのような状況が続くのはかわいそう…とのことで飼い主様も手術を決心してくださいました。
手術を行う上での注意点は、尿道にある結石をどうするか…
膀胱は比較的血管が多く早く治ります。
しかし、尿道は組織や膜が薄くどうしてもメスを入れなければならない状況以外では切除することは推奨されません。また、尿道を切開すると多くの患者さんは尿が出にくくなったり痛みが残ったりします。
最もプリンちゃんにとって良いのは…カテーテルで石を膀胱内に戻し膀胱から石を取り出すことです。
そのようなことを踏まえ、なるべく尿道を切らない手術を予定し、どうしても石が取れない場合は、いろんな術式を予想し手術を行いました。
まずは、カテーテルを使い尿道にある石を押し戻しました。
石が移動しました!
一気に膀胱まで石を戻し(かなり大変でしたが…)
写真ではわかりにくいですが…
膀胱内に戻った石を全て取り出し手術終了となりました。
手術はその場だけではなく、時間が経った後のことも考え行う必要があります。
今回はうまく動いてくれたので尿道は切除せずに済みました。
おかげで今は排尿もしっかりでき食欲もしっかりしています!
元々プリンちゃんは糖尿病もありましたが、今はインスリンの量も半分で維持できています。
プリンちゃんのように糖尿病のワンちゃんはなるべく痛みを抑えストレスを与えない麻酔が必要になります。今回は特殊な痛み止めを使用しなるべく痛みを与えないように術中管理を行いました。
当院は麻酔管理も手術と考えております!
麻酔はその子その子に応じた麻酔薬の選択と麻酔管理が必要になります。
今回は、プリンちゃんにとって最善の形で手術を行うことができました。
最近は定期的な血糖値測定でよく来院してもらっています!
顔は怒ってますが楽になってくれたと思います!笑
抜糸時は少し痛いので怒ってはりますね笑
今は排尿もしっかりでき、食欲も増加し、血糖値も安定しているのでおうちではご機嫌なはずです!
まだまだ元気にお父さんお母さんのそばにいたいと思うので全力サポートです!