2017.07.05
2017.07.05
こんにちは。
院長の伊藤です。
6月ももう終わり、早いもので一年の半分が終わってしまいました。
まだまだ雨の季節なので、足元にお気をつけください。
さて本日は外の猫さんが喧嘩をしその傷が悪化したために命を落としかけた子のお話です。
以前から別の猫をいつも連れて来てくださる飼い主様が
大きな傷があるけども外の猫さんなので捕まらないため病院に連れて来られない
とお話されていました。
その後数日が経ち
その猫さんが倒れていて動けないためすぐに連れて行きたいとお電話いただきました。
来ていただくと猫さんは確かにぐったりし、顔には大きな傷が…
喧嘩によりできた傷にはたくさんの細菌やウイルスが感染するため、
敗血症になることがあります。
敗血症とは、細菌の感染が起こり、その感染が体全体に波及し、
重症な場合、無治療ではショックや多臓器不全(猫さんの場合は腎臓にダメーイを受けやすいです)などからすぐに死に至ることがあります。
そのため、すぐに呼吸状態を確認し体温を測り血液検査を実施すると、
脱水、急性の腎不全、炎症反応がありました。
イオンバランスや脱水の状態から適切な輸液及び抗生剤などの薬剤を選択し
治療を開始し1週間の集中治療を行いました。
かなり高かった腎数値と白血球数は落ち着き自らご飯を食べるようになりました。
今もその時のダメージからか腎不全はありますが、元気にご飯は食べてくれています。
次に、できた傷の治療となります。
来院当初の大きな傷です。
来院直後はかなり膿が袋状となって溢れていたので、
まずは周りの毛を刈り、壊死組織(皮膚の組織として機能していないところ)を少しずつ取り、傷を綺麗にしました。
徐々に小さくなり新しい組織が再生してきました。
ここまで約7日かかりました。
最終的には傷はかなり小さくなりました。
今も腎不全と戦っておりますが、毎日のお薬と脱水緩和で少しでも長く生きてくれるようにと思います。