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犬の心臓病は早期発見が重要!症状と対策を解説

犬の心臓病は早期発見が重要!症状と対策を解説

 

犬には、かかりやすい病気というものがあり、代表的なものが心臓病です。

犬種を問わず、犬は年をとるにつれて心臓病の発症リスクが高まります。

 

心臓病は命にかかわることもある重篤な病気です。

症状や対策を解説しますので、犬の心臓病について詳しくない飼い主の方は、ぜひチェックしてみて下さい。

 

 

犬の心臓病

 

犬も人間と同じく、心臓病になる場合があります(心疾患ともいう)。

そして人間の心臓病と異なるのが、一度心臓病になってしまうと、完治が難しいという点です。

 

心臓病は犬種を問わず、年をとった犬に発症しやすい傾向があります。

犬の高齢基準は、一般的に7歳頃からを指し、8歳以降で特に心臓病にかかりやすくなります。

 

 

心臓病の進行度別における症状

 

犬の心臓病の進行状況毎の症状を解説します。

自分の飼っている犬に当てはまる症状が見られた場合、すぐに動物病院に相談するようにしましょう。

 

 

心臓病が発症して間もない時の症状

 

心臓病初期には次の様な症状があらわれます。

 

・前より寝ている時間の割合が多くなった

・散歩や遊びをしていて、すぐに疲れてしまう

・元気がない

・呼吸が乱れやすくなった

・朝起きた時、運動後に咳が出る

 

この時期の対策は、主に投薬による治療を行います。

当然ながら、心臓に負担を与えるような激しい運動は行わないことが重要です。

 

 

軽度の心臓病の症状

 

犬の心臓病が進行するにつれ、初期に加えて次のような症状が表れ出します。

 

・食事の量が減る

・好きだった散歩を嫌がるようになる

・散歩中に限らず、生活の中で呼吸が乱れたり咳をする

 

対策としては投薬による治療、激しい運動は行わないことの他に、食事の塩分を控える必要があります。

 

 

中度の心臓病の症状

 

心臓病が中度にもなると、目に見えて明らかな症状があらわれ出します。

 

・散歩はおろか動くこと自体を嫌がる

・目に見えて食べる量が減る

・じっとしていても苦しそうに呼吸をする

・常日頃から咳が出る

 

この時期になると、投薬する量が増えることが多くなります。

また運動においては、外で排尿と排便のみにとどめましょう。それ以外では、できる限り犬を安静にさせてください。

 

 

重度の心臓病の症状

 

犬の心臓病が重症になると、次の様な症状があらわれます。

 

・じっとしていても呼吸困難に陥ることがある

・呼吸困難によって気を失ってしまう

・食べ物をほぼ受け付けない

・腹水がたまる

 

心臓病が重度の場合における対策は、投薬による治療・塩分を可能な限り控える・安静にさせておく。

以上の3つを「必ず徹底させること」です。

怠った場合、寿命が急激に縮んでしまう可能性が否定できません。

 

 

犬の心臓病の予防対策

 

犬の心臓病は一度発症してしまうと完治は困難ですので、予防と早期発見が何よりも重要になります。

しかし、初期の症状から犬が心臓病であることを見抜くのは難しいと言わざるを得ません。

「ちょっと疲れてるのかな?」「年をとったからかな?」と見過ごしてしまうことがほとんどです。

 

そこで、ぜひ定期検診を受けさせてあげてください。

そうすれば心臓病はもちろん、他の疾患も未然に防ぎ、仮に病気に罹ってしまっても早期に治療を行うことができます。

 

検診は犬が生まれた頃から定期的に行うのがベストですが、7歳以降は必ず受けさせてあげるようにしましょう。

頻度なども犬の状態によって変わってくるので、まずは気軽に動物病院に相談してみてください。

 

 

飼っている犬が心臓病になった場合どうすればいいの?

 

先述した通り、心臓病に一度かかってしまった犬は、完治は困難と言わざるをえません。

したがって飼い主がするべきことは、「心臓病の進行を可能な限り抑える」と言えるのではないでしょうか。

 

そして心臓病の進行を抑えるためにするべきことは、以下の通りです。

 

 

運動はできる限り最小限に抑える

 

犬は散歩に行かないと、排泄をしないケースが多いため注意が必要です。

その場合は心臓病であっても、排泄だけはさせてあげましょう。

ただし発症して間もない時期に限ります。以降は、犬用オムツなどで対応することも視野に入れます。

また発症して間もない時に、普通に運動(散歩)をしたがる犬も少なからずいます。

 

いずれの場合も、心臓に負担がかかるようなもの(階段、上り坂や下り坂)は必ずさけて下さい。

場合によっては、飼い主自ら犬を抱っこし、心臓に負担をかけないように心がけて散歩や運動をさせましょう。

補足になりますが、心臓病を発症した犬は、呼吸が乱れやすく、そのため運動を行い過ぎますと、

犬が酸欠状態におちいってしまう場合があります。

酸欠状態の見分け方としては、舌や唇の粘膜が紫色に変色しているかいないかです。

この状態を「チアノーゼ」といいます(酸欠になった人間にも、チアノーゼがあります)。

犬にチアノーゼ反応が見られた場合は、速やかに病院へ連れて行ってあげて下さい。

 

 

塩分を極力控えた食事

 

市販されているドッグフードには、塩分が多く含まれています。

塩分が多い食事は、心臓に負担をかけてしまいますから、食事内容について病院(獣医さん)に相談しましょう。

現在では、心臓病専用の食事がありますから、それを与えることが望ましいです。

 

特に注意するべきは、「人間の食べ物は絶対に与えない」ことです。

人間の食べ物のほとんど(加工された食べ物全般)は、ドッグフードよりもはるかに塩分や糖分が大量に含まれているのです。

 

もし与えてしまった場合、「犬の寿命を大幅に縮めてしまう」といっても過言ではありません。

繰りかえしになりますが、人間の食べ物を犬に与える行為は、絶対にやめましょう。

 

 

急激な温度の変化は厳禁

 

特に冬場におけるシャンプーには、十分な注意が必要となります。

例えばシャンプー後、脱衣場、洗面所などの気温が低い場所でのドライヤーは、必ず避けましょう。

なぜなら、温かいお湯と低い外気温との差によって、心臓に多大な負担をかけてしまうからです。

 

したがって、急激な温度の変化を避けるためには、あらかじめリビングなどを暖めておきましょう。

そして犬をシャンプーした後は、速やかに暖めておいたリビングなどに移動させ、ドライヤーやブラッシングをしてあげて下さい。

 

 

まとめ

 

心臓病の早期発見には、心臓病の症状を把握した上で、犬とこまめなコミュニケーションをとることが欠かせません。

人間と違い犬はしゃべることができないため、苦しくとも飼い主に伝えることもできないのです。

今一度、心臓病の症状や対策を理解するべきではないでしょうか。