京都市山科区の山科みやこ動物病院

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犬がかかりやすい病気と症状、対策を解説

犬がかかりやすい病気と症状、対策を解説

 

ペットとして定番中の定番である犬ですが、耳や目、皮膚の病気を始め、内蔵の異常や感染症まで、気をつけなければいけない病気がたくさんあります。中には命に関わる病気もありますから、症状の見極めや治療法、予防法をしっかり理解することが必要不可欠といえるでしょう。

 

外耳炎

 

外耳炎は、犬の種類や年齢を問わず最もかかりやすい病気の一つです。耳の内部で細菌が繁殖したり、アレルギーやアトピーが原因で炎症が起きたりします。異物などが耳の内部に入ることで、外耳炎を発症するケースもあります。

 

なお外耳炎は、耳内部にある、「垂直耳道」「水平耳道」に炎症が起きている状態を指します。外耳炎の主な原因として、大腸菌やブドウ球菌といった細菌や真菌の増殖・ダニの排泄物による炎症・異物・耳のケア不足などがあげられます。

 

症状

 

外耳炎は以下のような症状があります。

 

・耳をしきりにかく
・頭を激しく振る
・耳から異臭が漂う
・耳垢に粘り気がある
・耳を触られることを嫌がる

 

外耳炎を発症するとかゆみや痛みが出るので、犬はしきりに耳をかいてしまいます。大型犬の場合、頭を激しくふることで、耳にある軟骨の毛細血管が切れてしまうこともあります。耳に血がたまることがあります。重症化すると嘔吐やふらつきといった症状が出ることもあるので、早めの処置が必要です。

 

治療法

 

外耳炎の治療は、原因によってそれぞれ方法が違います。大腸菌やブドウ球菌といった細菌や真菌が原因の場合、抗菌薬・抗真菌薬によって殺菌を行います。ダニが原因であれば、耳の洗浄とダニ駆除薬によって治療します。

 

異物や腫瘍が原因である場合は、手術などの外科的な処置によってそれらを除去します。

 

予防法

 

外耳炎が発症する原因として、日頃のケア不足があげられます。イヤークリーナーなどを使って耳の掃除を定期的に行うことで、しっかり予防してあげましょう。その際、耳の中を傷つけてしまわぬように十分注意しましょう。細菌が繁殖してしまう原因となります。

 

もし自分で耳掃除を行うのが不安であれば、動物病院にお願いすることも検討しましょう。

 

 

皮膚炎

 

皮膚炎は、外耳炎に次いで犬がかかりやすい病気であり、一度発症してしまうと慢性化しやすいことが特徴です。皮膚炎に発症する原因として、細菌・真菌・寄生虫・食事・ダニ・アレルギーなどがあげられます。

 

症状

 

皮膚炎の主な症状として、発疹・かゆみ・フケ・炎症などがあげられます。症状が進行すると、皮膚が化膿したり、皮膚に無数の穴があいてしまったりします。特にダニが原因の場合、他の犬に感染するだけでなく、人間にも感染する可能性があるため注意が必要です。

 

治療法

 

皮膚病といっても多くの種類があり、症状もさまざまです。細菌や真菌が原因の場合であれば、抗生剤や抗真菌薬を投与します。ダニや寄生虫が原因の場合、予防薬・駆除剤を使って治療します。

 

上記以外にも、かゆみや炎症を抑えるために抗炎症剤を使用したり、フケがひどければ薬用シャンプーやサプリメントによる治療を行うケースもあります。なお、皮膚病が進行しているのであれば、抗生物質を投与して治療を行うのが一般的です。

 

予防法

 

皮膚病の予防法で最も有効なことは、愛犬の身体を常に清潔に保つことです。つまり、飼い主の普段の心がけ次第で決まるともいえます。犬の皮膚は多くの毛に覆われてはいますが、非常にデリケートです。

 

そのためシャンプーやブラッシングを、定期的に行うことが大切です。その際、愛犬の肌を傷つけないように注意しましょう。傷は細菌繁殖の原因となり、余計に悪化してしまう可能性があります。

 

またシャンプーをしてもフケが出て来るようであれば、犬専用の化粧水を使うなど、愛犬の症状に合わせて適切なケアしましょう。

 

 

ガン

 

ガンは別名、悪性腫瘍とも呼ばれています。ガンが自然に治ることはありません。死亡率も高い非常に恐ろしい病気です。ガンは体内の栄養を無尽蔵に使って増え、全身に転移すると多臓器不全などを引き起こします。

 

症状

 

ガンに発症すると、次のような症状があらわれます。

 

・食欲不振

・体重が激減

・貧血
・リンパ節が腫れる
・元気がなくなりぐったりとする
・運動や散歩を嫌がる
・しこりがあらわれる

 

上記すべてがあてはまるわけではありませんが、該当する項目が多いほど、ガンに発症している可能性が高くなります。
特に、「しこりがあらわれる」のはガンの可能性が非常に高くなるため、即病院に連れていってあげましょう。

 

治療法

 

ガンの主な治療法として、外科手術や化学・薬物療法、放射線治療、免疫療法などがあげられます。

 

外科手術はガン細胞を切除する治療法で、ガンが大きい場合に有効です。比較的短い時間でガンを取り除くことができる反面、麻酔・手術の合併症で亡くなるリスクも否定できません。

 

化学・薬物治療は、ガン細胞に対して抗ガン剤を投与して治療を行います。ガン細胞の増殖を抑えることはできますが、完治はしません。また、嘔吐や下痢などの消化器疾患感染症にかかりやすくなってしまう、脱毛などの副作用が見られ、回数を重ねるほど効果が出にくくなるという難点もあります。

 

放射線治療は、文字通りガン細胞に放射線を照射する治療法です。化学・薬物療法よりも効果が高く、外科手術では困難とされる、心臓や脳などの臓器にも対応可能です。一方で治療費が高く、全身麻酔を必要とするリスクがともなうといった短所もあります。

 

免疫療法は他の治療によって体内に残っているガン細胞を、除去することが可能な治療法です。しかし残念ながら、現状では一般的には普及していません。

 

予防法

 

残念ながら、ガンを確実に予防することは困難です。できることは、早期発見・早期治療によってリスクを出来る限り減らすことです。

 

ガンのリスクを減らすためには、飼い主が定期的に愛犬の状態を注意して観察することが欠かせません。食欲の有無や排泄状況、スキンシップを兼ねて全身を触ることで、しこりなどがないかといったことをチェックして下さい。

 

早期のガンは症状がわかりづらいため、発見が遅れてしまうケースが少なくありません。そのため先ほど説明した、ガンの症状に少しでもあてはまると感じた場合、可能な限り早めに動物病院に連れていきましょう。ガンは進行してしまうと治療が難しく、命に関わります。

 

 

腎臓病

 

腎臓病は、血液中の老廃物をろ過したり、水分を吸収する働きが不可能となってしまったりする病気です。

そして一度でも腎臓病に発症すると進行し続け、腎臓の機能は回復することはありません。なお、腎臓の機能は体内環境を一定に保つ・血液をつくる・血圧を調整するといった働きをしてくれます。

 

症状

 

腎臓病には、急激に腎臓の機能が低下する「急性腎障害」と、時間の経過にともなって悪化していく「慢性腎臓病」があります。

以下、それぞれについて説明します。

 

 

急性腎障害

 

症状

 

食欲不振、以前に比べ元気がなくなった、嘔吐、排尿量の減少、尿が全く出ないといった症状があらわれます。

急性腎障害は、早期発見・早期治療をすることで、命にかかわるリスクを減らすことができます。

上記の症状が見られたら、すぐに動物病院に連れていきましょう。

 

治療法

 

急性腎障害は、尿がでない症状が数日にわたるケースがあり、その場合命にかかわる可能性があります。

したがって出来る限り尿を出すことが、急性腎障害に対する最も有効な治療法といえるでしょう。具体的には、静脈点滴や抗生物質、腹膜透析といったものがあげられます。

 

 

慢性腎障害

 

症状

 

初期の段階では、無症状です。悪化することで、尿の回数および量が増える、水を大量に飲む、食欲がなくなる、嘔吐や下痢を繰りかえすようになるなどの症状が出てきます。悪化すると尿がまったく出なくなり、痙攣や昏睡といった重篤な症状があらわれます。

 

治療法

 

慢性腎障害は、完治をさせることが不可能です。

できることは早期発見により、進行をできるだけ抑えることです。

 

 

急性腎障害と慢性腎障害の対策

 

新鮮な水を切らさぬように用意をし、腎臓病にとって害となる、リン・ナトリウムなどを控えた食事を与えてあげましょう。

特に腎臓病において、食事は非常に重要となります。そのため、初期の段階から、徹底した食事制限をおこなって下さい。

 

 

まとめ

 

犬がかかりやすい病気の中には、命にかかわる病気もあります。特に腎臓病は症状が末期になるより前に、寿命を迎えるケースが多いのです。

以上のようにかかりやすい病気それぞれに応じて、飼い主は必要な選択をしなくてはなりません。