犬を飼う上で必ず知って置かなければならない病気が狂犬病です。
狂犬病は発症してしまうと、致死率ほぼ100%という恐ろしい病気で、予防が義務付けられています。
狂犬病の危険性やワクチン接種について詳しく解説しますので、飼い主の方はぜひ目を通してみてください。
狂犬病のワクチン接種は、毎年一度、時期は4月~6月までに行うことが義務づけられています。
「毎年1回・春頃」と頭に入れておくと良いでしょう。
また、生後91日以上の子犬は、狂犬病のワクチン接種をし、予防接種をした証拠として注射済票の交付を受けることも義務となっています。
これは、「狂犬病予防法」によって定められているので、厳守することが原則です。
なお集団接種であれば即日、注射済票をもらうことができます。
狂犬病は人にも伝染し、毎年世界中で5万人以上の方が亡くなっているウイルス性の感染症です。
そして感染してしまった場合、死亡率はほぼ100%の恐ろしい病気なのです。
こういった理由から、狂犬病のワクチン接種が義務付けられています。
狂犬病の予防接種は、自治体での集団接種もしくは動物病院にて受けることができます。
集団接種の場合、公民館・公園などで接種を受けられます。
しかし集団接種は平日に行われることが多いため、都合がつかない飼い主さんもいることでしょう。
その場合、動物病院にて接種を受けましょう。
動物病院では、こちらの都合がよい時間に受けることができ、予防接種のついでに身体のチェックをしてもらうこともできます。
すぐにお渡しできますので必要ないかと思います。
狂犬病のワクチン接種は義務付けられていますが、実は任意でも重篤な感染症から愛犬を守る混合ワクチンというものがあります。
それぞれを詳しくみていきましょう。
年に1回の接種が義務付けられている、狂犬病を予防するためのワクチンです。先述した通り、狂犬病は発症するとほぼ100%の確率で死に至る恐ろしい病気です。費用は各都道府県によって定められていますが、京都市では注射代3,300円、登録料3,600円です。
混合ワクチンは狂犬病ワクチンと違い、任意で接種するワクチンです。
また混合ワクチンにはコアワクチン(接種が推奨されているもの)と、飼育環境や用途に合わせて接種するノンコアワクチンがあります。
なお、混合ワクチンは2種・5種・6種・8種・9種・10種などで構成されています。
ワクチンの種類 | ワクチンの内容 | ワクチンの値段(相場) |
---|---|---|
2種混合ワクチン | 犬ジステンバー・パルボウイルス | 4,000円 |
5種混合ワクチン | 4種に犬パルボウイルスを加えたもの | 6,500円 |
6種混合ワクチン | 5種に犬コロナウイルスを加えたもの | 7,000円 |
7種混合ワクチン | 5種に犬レプトスピラ感染症2種を加えたもの | 7,500円 |
8種混合ワクチン | 7種に犬コロナウイルスを加えたもの | 8,000円 |
9種混合ワクチン | 8種にレプトスピラ感染症(ヘブドマディス)を加えたもの | 8,000円 |
狂犬病ワクチン※義務 | 3,000円 |
なお、よく接種されている混合ワクチンは、4種~6種です。
ワクチンは感染症に対する抗体を作るため、ウイルスを体内に注射します。しかしワクチンといっても、ウイルスを体内に入れるのですから、リスクが全くないわけではありません。
たとえば混合ワクチンの場合、多くの混合ワクチンを注射することで、多くの感染症を予防することが可能です。一方それと同時に、多くのウイルスを体内に入れるため、より副作用のリスクも高まってしまうことが否定できません。
さまざまなワクチンの副作用の中で、最も多いのが嘔吐や下痢です。ワクチン接種前は元気であったのが、接種をしてから嘔吐や下痢といった症状が出た場合、ワクチンによる副作用の可能性が高いといえるでしょう。なお、嘔吐物や下痢に血液が混じっている場合、すぐに動物病院に連れていきましょう。
ごくまれに、体内がワクチンを異物として認識し、攻撃して除去しようとするケースもあります。その攻撃によって発熱や消化器疾患といった、強い副作用があらわれる場合もあります。
発熱が起きると、食欲不振・食べても嘔吐する、水を飲むことが困難になってしまうほどの消化器疾患を発症することもあり、脱水を起こしてしまうリスクも伴います。
上記の副作用は、比較的軽度です。もし心配なようでしたら病院に連れていきましょう。
予防接種をした後、犬の唇や目、首などが真っ赤に腫れ上がったり、しきりにかいたりしている場合、ワクチン成分にアレルギー反応を起こしている可能性があります。
じんましんは副作用が若干重いため、必ず病院へ連れていき、適切な処置を受ける必要があります。
アナフィラキシー症状は、アレルギー反応によるショックが出ている状態です。アナフィラキシーは以下の症状があらわれます。
・呼吸困難
・震え
・けいれん
・失禁
・貧血・血圧低下
・チアノーゼ
アナフィラキシーはワクチン接種後、30分以内に起きるケースが多くなっています。アナフィラキシーは命に関わる危険なものなので、ワクチン接種後、30分ほどは病院内もしくは近辺で様子を見ることが望ましいでしょう。
身体の小さい犬や1歳未満の子犬・老犬などは、ワクチンによる副作用があらわれやすい傾向があります。
犬種別の場合、ミニチュアダックスフンド・ヨークシャテリア・ポメラニアン・柴犬などに副作用が多く見られるといわれています。
ワクチン接種は犬の体調が優れない場合には副作用があらわれやすくなります。もしワクチン接種当日に様子がおかしかったりしたら、必ず獣医師にそのことを伝えるようにしましょう。
そして老犬の場合、ワクチンの副作用に耐えることができない場合もあります。寿命よりも予防接種がリスクであると判断されることもあり、その場合予防接の免除を受けられる診断書を作製してもらう事が可能です。
予防接種の実施期間は4月~6月ですが、この期間内に必ず接種をしなくてはならないわけではありません。
動物病院は、1年間通してワクチン接種が可能です。そのため犬の体調が悪い時は無理に接種するようなことはせず、接種する時期を獣医師と相談して下さい。
なお、狂犬病と混合ワクチンの同時接種はできず、1ヶ月ほど間を開ける必要があります。
狂犬病は、発症してしまうとほぼ助かりません。
愛犬を守るためには、狂犬病ワクチン、混合ワクチンなどを必ず接種することが、必要不可欠といえるでしょう。
また上記の内容を今一度確認していただき、理解を深めることに努めましょう。