猫を飼っているとノミ・ダニに悩まされる飼い主も多いことでしょう。
ダニは人間に感染する病気も持っているので、猫と共生していく上で、ノミ・ダニ対策は非常に重要です。
この記事ではノミ・ダニの感染経路から、感染してしまった場合の症状、対処法や予防法まで詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
ノミ・ダニは、野良猫をはじめ、アライグマ、ネズミといった多くの野生動物に寄生しています。
特に野良猫は、ノミ・ダニを運んでくる代表格といってもいいでしょう。
外に出さないから大丈夫と思うかもしれませんが、ほとんどの家では敷地内には野良猫が落としたノミ・ダニやその卵があります。
ベランダに出るだけでも寄生されるので、室内飼いだからといって安心はできません。
ノミやダニは、飼い主含む人間を介して寄生するケースもあります。外出した際に付着することもあれば、来客した人が持ってきてしまうこともあるのです。また犬を一緒に飼っている場合、散歩で外からノミ・ダニを持ち帰ってしまうので、寄生率は上がります。
一度でもノミに感染したことがある猫は、再発する可能性が高いのです。
ノミの卵は絨毯や畳、ソファの隙間といったあらゆる場所に存在します。
そしてノミの卵は、最長1年も生存が可能であり、バルサンなどを炊いても完全に駆除をすることができません。
・寝ている時に突然起きて、激しくかいたりなめたりすることがある
・体毛を噛んだり、引っ掻いたりしてグルーミングしている
・以前に比べて毛が抜けるようになった
・皮膚が赤くなっている部分が多い
・猫がいた場所に黒い粒が落ちている
・毛に小さな黒い粒が見られる
・毛に白いフケ状のものが見られる
・耳が黒く汚れている
以上の項目に該当する数が多いほど、ノミやダニに寄生されている可能性が高くなります。
なお黒い粒は、ノミのフンです。
猫に寄生するノミは、「ネコノミ」と呼ばれている種類です。猫に寄生するノミのほとんどがネコノミであり、人間にも寄生します。
体長2mm~3mmで気温18℃~27℃、湿度は75%といった環境で最も活発化する特徴があるため、特に梅雨の時期は注意が必要です。
ノミに寄生された場合、次のような症状が見られます。
ネコノミの吸血によって唾液が猫の体内に入ることで原因によるアレルギー反応が起き、強いかゆみ・湿疹・脱毛をともなう皮膚炎といった症状が見られます。
そして体をかいて皮膚に傷ができると、ウイルス・細菌に感染する可能性があります。
なお一度でもアレルギーを起こしている場合体が敏感になり、わずかなノミの寄生にも反応するようになるのです。
ノミの成虫の体内には、瓜実条虫と呼ばれる寄生虫が体内に生息しています。瓜実条虫を飲み込んでしまうと下痢や嘔吐といった症状が起き、人間に寄生した場合、皮膚に赤みと激しいかゆみをともないます。
猫に直接症状があらわれるものではありませんが、人が猫にかまれたり、ひっかかれたりすると、リンパ節の腫れ・発熱や頭痛を引き起こし、悪化すると麻痺や脊髄障害になるケースがある恐ろしい病気です。
ネコノミは繁殖力と生命力が強いため、繁殖する前の予防駆除が最も効果的です。予防駆除は次の2点です。
ノミが成虫に発育する前に駆除する予防駆除です。
1ヶ月に1回液状のお薬を首にたらすことで予防が可能です。予防薬には好きな種類があるので動物病院にご相談下さい。
家の中を徹底的に掃除して予防駆除を行いましょう。特に畳やカーペット、ソファといった、ノミや卵が潜んでいることが多い場所を念入りに掃除して下さい。また清掃後に、ノミ駆除スプレーを噴霧し、掃除機の吸い取り口、フィルターも消毒するとなお良いです。
予防をしても、寄生されてしまうこともあります。その場合、駆除方法として以下を使用して下さい。
・首に垂らすタイプの駆除薬
・ノミ自体を見つけたらノミ駆除スプレー(動物病院に1個)でノミを駆除する
・ノミ駆除薬の種類を変更する
猫に寄生するダニで最も多いのが、「マダニ」です。マダニは普段草むらに生息し、さまざまな病気を引き起こします。吸血すると小豆大のサイズになり、吸血された猫は皮膚病・アレルギーを引き起こし、次のような病気を発症するケースがあります。
発熱・関節の痛み・食欲不振といった症状を引き起こします。ライム病は人間にも感染することがあるので、注意が必要です。
病原体が猫の赤血球に寄生することで、赤血球を破壊し、貧血・発熱・食欲不振・黄疸などの症状をもたらす病気です。悪化すると、死に至ってしまうこともあり、一度感染すると病原体が体からなくなることはありません。
ダニに一度でも寄生されると、駆除が非常に大変です。
そのため寄生されてから駆除を行うのではなく、ノミと同じく寄生される前に予防することが重要です。
ダニの予防は、上記で説明したノミの予防法と似ています。定期的な投薬に加え、部屋の徹底清掃を行い、犬を一緒に飼っている場合は、散歩後のブラッシングやシャンプーを欠かさず実施して下さい。
猫にダニが付いているのを見つけても、決してつぶしてはいけません。ノミは歯を猫の体に刺して固定する特徴があるため、つぶすと歯が体内に残り、皮膚炎を発症してしまいます。
予防をしても寄生されてしまった場合、まずはバリカンで毛を短くカットし、病院で駆除薬による治療を受けて下さい。
病院の駆除薬は、市販の駆除薬よりも即効性・駆除率において優れています。
ノミ・ダニに寄生されると厄介です。特にノミに関しては、再発するケースが多いため寄生された場合、1年は予防対策をすることが求められます。予防を徹底し、それでも寄生されてしまった場合には、速やかに動物病院に相談しましょう。