チワワは、見た目の特徴から、かかりやすい病気がいくつか存在します。
中には聞いたこともない病気があるかもしれません。
しかし知っておかないと、命にかかわる可能性すらありますので、しっかり理解しましょう。
水頭症は脳の病気です。
頭蓋骨内部にある、「脊髄液」が過剰になり、過剰になった脊髄液によって脳が圧迫されて発症します。
特に、1歳までのチワワの幼犬に発症しやすいようです。
なお水頭症の多くの場合は、先天的なものであることが原因といわれています。
視力に障害が生じる・前より睡眠時間が長くなった・その場でクルクル回る・元気がなかったり、
逆に攻撃的になったりする、などがあげられます。
また水頭症は頭蓋骨内部に圧力がかかるため、頭蓋骨が変形することが多いのです。
よく見られる変形として、頭蓋骨のてっぺんが大きくなる・頭蓋骨の変形によって目の神経をつかさどっている神経が圧迫されるなどです。
神経が圧迫されると、外腹側斜視という現象がおきます。
外腹側斜視とは、左右の目がそれぞれ斜め下の方向に離れてしまうことです。
軽度であればステロイド・利尿薬による投薬治療が行われます。
重度であれば、獣医による手術を必要とします。以上のように、飼い主個人がどうにかできる病気ではありません。
先述した症状が見られた場合は、病院に相談した上で、投薬治療か手術かを判断してもらって下さい。
手術が上手くいくことで、元気な犬と同じレベルの生活を送ることが可能になるようです。
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿の骨が脱臼(外れる)する病気であり、特にチワワのような足が細い小型犬がよく発症する病気です。
膝蓋骨脱臼になる原因は先天性なものと、後天性なものの2つから発症しますが、先天性な場合が多いようです。
先天性の場合であれば、親犬が膝蓋骨脱臼持ちの場合、高確率でその子犬も遺伝によって膝蓋骨脱臼になるようです。
後天性は、階段から落ちる・高い所からジャンプした衝撃など、外からの強い衝撃によって膝蓋骨が脱臼することなどがあげられます。
その痛みから足をかばって歩いたり、3本足で歩いたりします。
軽い症状であってもわかりやすい症状のため、飼い主もすぐに気づくことでしょう。
時に、自ら肘を伸ばして膝蓋骨を元の位置に戻す仕草がみられることもあります。
鎮痛薬を投与しながらの手術となります。
その際、全身麻酔を行う必要があるため、リスクは全くないわけではありません。
しかし手術によって治せますから、普通の犬と同様の生活を送ることが可能となるのです。
こればかりは獣医さんと話し合うしかありませんので、相談しましょう。
予防するためには、犬が肥満体型にならないように心がけ・膝に負担をかける動きはさせないことです。
バランスの良い食事を与え、階段や高い場所を移動させないようにしましょう。
また、家の中に衝撃を吸収するマットを置くとより効果的です。
心臓病の1つです。
心臓にある僧帽弁が変形することによりうまく機能せず、血液が逆流してしまう病気です。
血液が逆流してしまうと心臓に負担がかかり、最終的には心不全になってしまう可能性があります。
僧帽弁閉鎖不全症の主な原因は、加齢です。
加齢によって僧帽弁が厚くなり、弁を支えるものに異常をきたすことで、僧帽弁の閉まりが悪くなってしまいます。
そして主な発症年齢は、6歳から8歳の間に最も発症しやすく、10歳になると発症しにくくなるようです。
初期の段階において、心臓の雑音があげられます。
血液が逆流することで、「ザザザ」といった音がしますが、飼い主は気づきにくいことが現実です。
症状が進むと、前より寝る時間が多くなった・元気がなくなったり、疲れやすくなったりなどの特徴がみられるようになります。
また運動後や興奮状態の場合、咳が出るケースもあります。
しかし、安静にしていても咳が出るようであれば、かなり進行しているので注意をしなくてはなりません。
根本的に治療は困難です。
できることは、投薬による症状緩和・僧帽弁閉鎖不全症の進行を、できる限り抑えるために心がけることです。
心臓に負担がかかるような運動や、興奮させないようにする、塩分を控えた食事を与えるなど、
飼い主のケアに依存するケースが多くなります。
気管が形状を保つことができなくなり、潰れてしまう病気です。
チワワにおいては、遺伝による発症と考えられています。なお、気管虚脱の詳しいことは現在でも解明されていません。
激しい咳・それにともなう呼吸困難・呼吸があらくなる・落ち着きなく動き回る・酸欠によるチアノーゼ、などといった特徴があります。
以上の特徴は、激しい運動中をさせている場合や、犬が興奮している状態によく見られるようです。
また、散歩で使用する首輪によって頸部が圧迫されることでも、症状があらわれるケースもあるようです。
気管虚脱が軽度の場合、主に投薬による治療、呼吸器による酸素供給によって行われます。
一方、重度の場合は投薬による治療は見込めず、可能な限り早急な手術によって治療を行う必要があるのです。
ただし手術の際に大きな負担がかかるため、老犬が手術を受ける場合、リスクが高いことは否定できません。
そのため、獣医とよく話し合うことが非常に重要となります。
気管虚脱を確実に予防する方法はありませんが、発症をさせないための行動はしておくべきです。
たとえば、犬が肥満体質にならぬようダイエットを心がける、首輪が頚椎を圧迫しないよう、できるだけ引っ張らないように心がけるなどです。
また、首輪を胴輪(身体全体をひっぱるリード)に変更することも効果的です。
チワワは目が大きく飛び出しているため、目の病気にかかってしまう可能性が高いといえます。
チワワがかかりやすい目の病気は、角膜炎や結膜炎、などがあげられます。
まぶたの裏に結膜があるため、犬はそこを足でかいてしまいます。
そうすると、目が赤くなったり(充血)、涙や目やにの量が多くなったりします。
また細菌やウイルスが入ることで悪化し、他の病気を併発する可能性も高くなるのです。
目に異物がある場合は、洗浄などで除去します。
一方で細菌やウイルスが原因であれば、目薬による治療を行います。なお、他の病気を併発している可能性もありますから一度、病院で見てもらうことが望ましいです。
なおチワワは、目が飛び出している特徴があるので、根本的な予防法はありません。
できることは、飼い主が出来る限り目のケアを行うことです。
結膜炎と症状は似ています。目のかゆみや痛みを伴う、涙と目やにの増加が見られるようになります。
また悪化すると青白くなる場合があります(ブルーアイ)。
なお結膜炎と違い角膜炎は悪化することで、失明の可能性が高くなる特徴があるので、注意が必要です。
角膜炎の治療法と予防法は、結膜炎とほぼ同様、異物を除去・目薬による治療です。
主に1歳未満のチワワなどの小型犬が発症しやすい病気です。
先天性が発症の原因といわれており、詳細は現在でもわかっていません。
後ろ足のふとももの付け根に対して、血液が送られない特徴があります。
血液が送られないため、ふとももの骨が壊死してしまうのです。
痛みにより後ろ足をかばって歩くようになり、放置をすると歩行異常となってしまいます。
レッグペルテス病は、1歳をすぎると症状の進行が止まります。
その期間までに、壊死したふとももの骨を手術によって切除しなくてはなりません。
手術後はリハビリによって歩行をできるようにします。
ご紹介した病気の多くはいずれも、チワワがかかりやすい病気です。
症状によっては、手遅れになってしまうものもあります。
そうなる前に、事前にかかりやすい病気を理解し、早期発見をする事で、病気を防ぐ確率を上げておくべきではないでしょうか。