猫は人間と同じく、風邪を引いたり、ガンにもかかったりします。
原因はさまざまですが、事前にあらかじめ知っておくことで、飼い猫が長生きできるかもしれません。
病気の種類毎に対策と予防法もあわせてご覧になってください。
人間が風邪を引いた時と、似ている症状を引き起こす特徴がある病気です。
猫風邪は、猫ウイルス性鼻気管炎・クラミジア感染症・猫カリシウイルス感染症の3種をまとめて指します。
また複数の猫風邪を併発することで重症化し、場合によっては死に至る可能性があるようです。
主な症状は、くしゃみや鼻水、目やに、口内炎、発熱による食欲低下などがあげられます。
猫風邪は複数匹飼っている場合、猫同士で感染する可能性が非常に高いのです。
そのため上記の症状が猫にあらわれているようでしたら、早めに他の猫から隔離したうえで、病院に連れていってあげましょう。
猫風邪の予防法として最も有効なのは、混合ワクチン接種です。
混合ワクチンは、猫が子猫のときに接種しておくことで、感染しても重症化せずに済みます。
また、猫風邪は慢性化しやすいため、治る時期を狙って混合ワクチンを接種すると、猫風邪の再発を防ぐことが可能です。
その名の通り、猫免疫不全ウイルスが原因の病気です。
通称:猫エイズとも言われ、人間のエイズと症状が似ていることからそう呼ばれています。
感染源として、猫免疫不全ウイルスに感染している猫とケンカをし、負傷した傷口から感染します。
潜伏期間は4年~5年ほど潜伏期間があり、その後感染します。
そして残念ながら亡くなってしまう猫が一定数いるようです。
しかし一方で、無症状のまま長生きをする猫もいるようですから、一概に死亡率が高いとは言い切れません。
猫免疫不全ウイルスは、初期の段階では症状がほぼ見られない場合が多いのですが、
免疫系に悪影響をおよぼすことによって、症状を引き起こすケースがあります。
主な症状は、ケガの治りが遅い、体重が減る、下痢など。
重症化すると、口内炎、歯肉炎、鼻水が常に出ているといった症状があらわれます。
猫エイズの予防法は、去勢や避妊手術をすることで、交尾による感染を防ぐことができます。
また、猫を外に出してしまうと猫エイズに感染する可能性は大幅に上がってしまうようです。
感染リスクをなくしたいのでしたら、室内で飼育をし、外に出してはいけません。
猫エイズの治療法は、残念ながらありません。
以前はワクチンが存在しましたが、現在は製造中止となっています。
したがって猫にしっかりとした食事を与え、ウイルスに対する免疫力を上げることが、発症を防ぐ手段といえるでしょう。
飼っている猫が猫エイズに感染しているか心配の場合、動物病院にて血液検査を行うことができます。
採血した血液から陽性か陰性を判断してもらえますので、一度検討することをおすすめします。
猫白血病ウイルスに感染すると発症する病気です。
白血病だけでなく、ガン(腫瘍)や腎臓病、免疫力の低下による臓器障害、口内炎といった、
さまざまな病気を引き起こすウイルス感染症です。
猫同士のケンカやグルーミングを介して感染することが多いのです。
なお、母猫から胎児への感染も確認されています。
そして感染した猫が5年以内に死亡する確率は、70%近くにもおよびます。
しかし感染力は弱いため、少し触れ合った程度で感染することは少ないようです。
主な症状は、貧血、リンパの腫れ、慢性的な発熱、鼻水・鼻詰まり、口内炎、苦しそうな呼吸などがあります。
特に貧血は猫の命に関わるため、十分に注意をして観察をして下さい。
歯ぐきが白いようでしたら、貧血の可能性が高いため、すぐに病院に連れていき、診てもらいましょう。
対策として猫白血病ウイルスは、猫同士のみ感染しますから、感染している猫とは隔離するべきです。
さらに有効な手段として、去勢や避妊手術をしてしまうことも1つの手段といえるでしょう。
また、定期的なワクチン接種とあわせて行うと、より効果的です。
もし猫白血病ウイルスにかかっていることが判明した場合、先述した通り、症状はさまざまです。
そのため、猫白血病ウイルス自体の治療ではなく、当てはまる症状それぞれに対して治療法が異なります。
そして猫白血病ウイルスは、ワクチンで予防が可能です。
確実に予防できるわけではありませんが、接種することで発症しても、軽症で済む場合が多いのです。
白血球の一種である、リンパ球がガン細胞におかされることで発症する病気です。
先ほど説明した、猫白血病ウイルス感染症が原因で発症する猫が多いようです。
リンパ腫の症状は貧血、下痢、呼吸困難、食欲の低下や嘔吐による体重の減少などがあげられます。
予防するには、猫白血病ウイルス感染症を予防するための、混合ワクチン接種が有効です。
主に口の中や鼻の中などの表面を覆う、扁平上皮と呼ばれる細胞が、ガンにおかされてしまう病気を指します。
扁平上ガンに発症する1つの原因は紫外線であり、白い毛の猫に発症する場合が多いようです。
症状は皮膚や口・目の周り、耳にしこりやかさぶた、出血が見られます。
もしこれらの症状が出た場合は、すぐに動物病院に行きましょう。
扁平上皮ガンの治療において、早期発見が最も重要なのです。早期発見をすることで、治療は外科的なもので済みます。
肥大型心筋症は、心臓の筋肉が何らかの原因(現在も不明)によって厚くなり、心臓の働きが弱ってしまう病気です。
肥大型心筋症の症状は、初期においては無症状であるケースが多いのです。
進行することで症状があらわれます。主な症状は、食欲の低下や以前より元気がなくなる、などです。
悪化すると、呼吸困難、足が麻痺して歩行が困難になってしまう、数日で亡くなってしまうなどの症状があらわれます。
肥大型心筋症がかかりやすい猫の種類として、
6歳以降のアメリカンショートヘア、シャム、アビシニアン、ペルシャ、メイン・クーンなどがあげられます。
根本的な治療方法や予防方法はありません。心筋症の症状にあわせて投薬を行うことで悪化を防ぎます。
心筋症は病状が回復したようにみえて、突然症状が悪化し、場合によっては死に至ってしまう可能性があるのです。
そのため、できる限り発症した猫を安静にしてあげましょう。
主に高齢の猫にかかりやすい病気です。
そして発症してしまった場合、残念ながら完治は見込めない病気なのです。
発症する原因は、腎機能の低下です。腎機能が低下すると、老廃物を尿で排泄することが困難になります。
そうなることで、嘔吐や貧血、体重の激減などの症状があらわれます。
慢性腎不全を予防するためには、猫が飲む水を絶やさない・獣医師がすすめるキャットフードを与える・猫にストレスを与えないよう、トイレは常に清潔にする、などを心がけましょう。
腎臓や尿道の中に結石ができて、それが詰まることで膀胱や尿道に傷がついてしまう病気です。
特に猫は、水をあまり飲まない割に濃度の高い尿をしますので、結石ができやすいと言われているのです。
以前よりトイレに行く回数が増えた、尿の出が悪くなったなどの症状があらわれたらそれは、尿石症の可能性が非常に高いです。
獣医師がすすめる療法食、水をしっかり飲ませて悪化を防止して下さい。
そして速やかに病院へ連れて行ってあげて下さい。
膀胱炎は、尿石症と併発するケースが多い病気です。
膀胱が細菌に感染することで、炎症を起こしてしまいます。
他にも肥満やストレスによって引き起こされる可能性があるようです。
症状も尿石症と似ていて、トイレに行く回数が増える、尿の出が悪くなるなどの症状があらわれます。
予防方法も尿石症と同じくトイレを清潔にし、水をしっかり飲ませてあげて下さい。
また猫はストレスに敏感なため、できる限り猫の様子に変化がないかよく観察しましょう。
今回は主な猫の病気を説明しましたが、症状が軽いものから、命にかかわるものまで多岐にわたります。
そのため、やはり常日頃から予防を受けやすい環境と、早期発見がかかせません。
大事な猫のために、できる限りのことはやりましょう。